ご挨拶

稲垣 暢也

 このたび第44回日本膵・膵島移植研究会の当番世話人を務めさせていただくことになりました。大変光栄に存じますとともに、責任の重さに身の引き締まる思いです。第44回の研究会は、2017年3月10日(金)、11日(土)の2日間、京都大学医学部構内の「芝蘭(しらん)会館」にて開催させていただきます。

 内科教室が本研究会を主催するのは平成5年3月の弘前大学・武部和夫先生以来24年ぶりとなります。また、京都大学では、平成10年2月に今村正之先生が第25回研究会を主催されて以来19年ぶりの開催となります。この間、我が国では、平成12年からはじまった脳死膵臓移植が平成18年には保険適用となり、平成16年からはじまった膵島移植は狂牛病問題で一時休止となったものの平成24年からは先進医療Bとして臨床試験が進んでいます。平成19年にはヒトiPS細胞の樹立が報告され、再生医療への応用も期待されています。そのような状況の中で、研究会のテーマを「糖尿病克服に向けた移植・再生医療の現在と未来」と掲げ、膵・膵島移植の更なる発展をはかるとともに、再生医療や異種移植も視野に入れた新しい治療戦略の開発を推進して、糖尿病の克服を目指す機会にしたいと考えております。

 今回の研究会では、特別講演としてカナダBritish Columbia大学のTimothy Kieffer先生からは幹細胞を用いた糖尿病治療について、また、東京女子医科大学の中島一朗先生には外科のお立場から、藤田保健衛生大学の鈴木敦詞先生からは内科のお立場から、それぞれご講演いただく予定です。ワークショップでは、「膵臓移植の現在と未来」および「膵島移植の現在と未来」、シンポジウムでは「移植・再生医療の現在と未来」について取り上げます。

 会員の皆様にご満足いただける充実した研究会となるよう準備をすすめております。会場となります京都大学構内の芝蘭(しらん)会館は、京都駅からはタクシーにて20分程度で到着できる場所にあります。開催時期の京都は、桜には少し早いですが、梅の見頃の時期となります。春の息吹を感じていただきながら、研究会では大いに議論の花を咲かせていただくことを祈念いたしております。皆様のご参加を心よりお待ちいたしております。

平成28年11月吉日

第44回日本膵・膵島移植研究会 当番世話人
稲垣 暢也
京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学 教授